司法書士への支払いは「報酬」だけじゃない?請求書の総額を正しく理解するための必要知識
当事務所に限らず、司法書士に登記の依頼をされたことのある方も多いでしょう。
自ら依頼した覚えがなくても、例えば自宅を新築した際に、ハウスメーカーや工務店経由で司法書士が手続きを行っているケースもあります。
振り込んでくださいと渡された見積書や請求書を見て、「うわっ、高い!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
父から自宅の贈与を受けただけなのに、何十万円も請求があるなんて……こんなことなら他の事務所に頼めばよかった……。
そんな風に思われた方のために、今回は司法書士からの請求書の内訳についてご説明したいと思います。
まず、司法書士業において、お客様にご請求させていただく費用の内訳は、大きく「報酬」と「登録免許税や実費」に分けられます。
このうち、登録免許税とは、簡単にいうと「登記の申請をする際に、法務局に納める手数料」のことです。
不動産の売買や贈与の場合は、「不動産を取得する側」が登録免許税を支払うことがほとんどです。一般的には司法書士が代理で法務局に納付し、その額をお客様に請求するという方法をとっています。
贈与や売買、相続のような不動産登記のご依頼をいただいた際、「固定資産税の課税明細書」や「評価証明書」、「名寄帳」を一番最初にお願いしていますが、これは「登録免許税」の計算に使っているのです。
では、登録免許税はどのように計算するのでしょうか。土地の売買を例に考えてみましょう。
Aさんが持っている駐車場を、Bさんに売却するとします。
土地の評価証明書を確認すると、令和7年度の評価額は12,345,678円でした。この額をもとに、
①千円未満を切り捨てた額:12,345,000円に、
②15/1000を掛け:12,345,000円×15/1000=185,175円
③百円未満を切り捨てる:185,100円
ということで、185,100円の登録免許税が必要になる、という計算になります。
※15/1000という税率は、令和8年現在有効な、土地の売買に関する登録免許税の軽減措置が適用された数字です。今後税率は変わる可能性がございます。
先程ご説明したとおり、司法書士が代理納付したこの185,100円をBさんに請求します。
それに司法書士に対する報酬や消費税、登記簿謄本の取得費用等を加えた額が、Bさんに請求されるトータルの額になります。
広大な土地や街中の土地、大きな建物などは、どうしても評価額が高くなります。
また、一度に十何件の不動産を売買・贈与する場合も、その分が加算されていくので、総合的には評価額が高額になります。
ほかにも、銀行から借り入れをする場合は、融資額に4/1000(一定の条件を満たし「住宅用家屋証明書」を利用できる場合は1/1000)を掛けた額が登録免許税になるため、融資額によってはそれなりの額がかかってくることになります。
これらの登録免許税は、法律に基づいた計算式を基に算出しています。そのため、どの司法書士に頼んだとしても、もしくはご自分で登記を申請されたとしても、絶対に同じ額の登録免許税がかかることになります。
※ただし、課税明細書等に記載されている評価額は毎年4月に更新されるため、4月1日以降に申請を出す場合は新しい評価額を用いて計算する必要があります。そのため、例えば2月に計算した登録免許税と5月に計算した登録免許税は異なる可能性が高いです。
※また、地目が変わった場合も注意が必要です。例えばこれまで畑だった場所が宅地に変わったような場合は、同じ土地でも評価基準が異なるため、登録免許税も変わる可能性があります。

以上のように、司法書士からの見積書・請求書の大部分が実費だった、ということはよく起こることです。
「司法書士への支払額=司法書士の取り分」と思われがちですが、実際にはその多くを国へ納めているケースも多いのです。
当事務所からお客様にお渡しする際は、報酬/実費の別やどのような手続きが必要になってくるのかを含めてきちんとご説明するようにしておりますが、疑問に思われた場合はお気軽にお問い合わせください。










