熊本市で「普段の住所」と「登記簿の番号」が違うのはなぜ?「住居表示」と「地番」のややこしい関係

 

当事務所にお尋ねいただくご質問として、次のようなものがあります。

「不動産は自宅しか持っていないはずなのに、家にある権利証に書いてある不動産の住所(※)が自宅の住所と違う……」

「自宅の登記簿を取りたくて法務局に行ってみたが、住所を書いて請求しても出てこない!」

このご質問、実は熊本市の方から多いのですが……その理由と、皆様が抱く疑問への答えをまとめて解説したいと思います。

※実際は「不動産の住所」ではないのですが、あえてそう記載しております。詳しくは以降の文章をご参照ください。

 

結論から言うと、私たちが普段使っている「住所(住居表示)」と、法務局で管理されている「地番」は、全く別のルールで付けられているから、というのが答えです。

 

順を追って見ていきましょう。

まず、「あなたの住所を、住民票どおりに書いてください」と言われたとき、どのように書くでしょうか?

おそらく、以下のようになるでしょう。

 熊本市中央区水前寺○丁目○番○号

 合志市幾久富△△番地△

よく見ると、上の例は「何番何号」、下の例は「何番地何」になっていますね。

この違いが、冒頭のご質問に関わってきます。

 

明治以降、日本における住所は、自宅が建っている土地の地番と(原則)同じでした。

ご自宅の住所が「△△番地△」となっている方は、一度登記簿をご覧いただくと、その地番も同じ「△△番△」になっていると思います。

しかし、特に都市部の住宅が密集している部分や、区画整理のために土地を合併して切りなおした(合筆・分筆)場所では、地番が複雑に入り組んだり、土地の並びと住所の並びが一致しなかったりして、主に郵便や宅配の関係で支障をきたすようになりました。

 

そこで、昭和37年に「住居表示に関する法律(昭和三十七年法律第百十九号)」という法律が生まれたのです。

これを受けて、都市部から順次、「○丁目○番○号(※丁目は必ずつくとは限りません)」という住所を順序良くつけていくことになったのです。

この「○丁目〇番○号」という住所がつけられることを、「住居表示の実施」と呼びます。

これが、「地番と住所が違う」ことの理由なのです。

 

熊本市も例に漏れず、昭和40年頃から住居表示の実施がなされています。

直近だと、令和3年11月に、「世安町」が「世安○丁目」に改められています。

なお、熊本市内でも旧城南町や旧植木町などでは実施されていませんし、逆に菊陽町の武蔵ヶ丘や花立などでは実施されています。

住宅地として開発が進んでいる地域は、今後住居表示が実施される可能性がありますね。

 

そして、この住居表示は、地番とは何の関連性もない数字のことがほとんどです。

そのため、冒頭のご質問のように、「自宅の住所と、権利証や謄本に載っている自宅の地番が一致しない」という事態が起こるのです。

住居表示が実施されている地域では、新築などで住所が新しく生まれる場合、「住居番号付定申請」を行わなければ、その場所を正式な住所として使用することができません。

自宅を新築した際に、「水前寺○丁目 ○-○」と書かれた小さなプレートを貰った覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

それこそが、付定申請が受理され、正式に住所が付された証拠であり、その人の住所を示す表示なのです。

なお、ハウスメーカーなどで家を建てられた場合は付定申請まで行ってくれることが多いですが、もちろんご自分でも、私たち司法書士でも行うことができます。

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以上が、「家にある権利証に書いてある不動産の住所が自宅の住所と違う……」「自宅の住所を書いて登記簿を請求しても出てこない!」という質問への回答であり、そういった質問が熊本市の方から多い理由でもあるのです。

なお、地番を調べる方法として、「権利証や謄本を見る」ほかに、「固定資産の課税明細書や名寄帳を見る」、「ブルーマップ(住所から地番を調べるための地図)を活用する」「法務局の照会窓口を利用する」ことができます。

自分の家の地番がどうしても分からないというときは、地番の確定のお手伝いもできますので、お気軽に当事務所へご相談ください。

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