絶縁状態の異母兄弟との相続。「介護の苦労」は考慮されるのか?

こんにちは。司法書士法人 小屋松事務所です。

今回は、以前アメブロで非常に多くの反響と共感をいただいた『遺産の開示と寄与分』というテーマを深掘りしてお届けします。

『長年介護をしてきた自分』と『20年以上音信不通の異母兄弟』。

感情面では割り切れないこの問題に、法律はどう向き合うべきなのでしょうか。

① こんな相談がある日ありました。

亡くなったAさんの子Bさんからの相談でした。

Aさんには先妻との間にCさんという子供が一人おられます。

しかし、もう20年以上も絶縁状態で、「Aさんが亡くなられたこと」も、恐らくBさんが知らせてあげて初めて分かられるのでしょう。

一方、BさんはAさんの介護を5年以上続けてきました。

ですから、できることなら、Cさんには遺産を分けたくはないでしょう。

その心情は察するに余りあります。

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  1. ② 法定相続人の権利は「感情」に左右されない

  2. どんなに長期間絶縁状態であっても、法律上の子である以上、CさんにはBさんと対等な相続権があります 。

  3. 「知らせたくない」「分けたくない」というお気持ちは痛いほど分かりますが、Cさんを外して手続きを進めることは法律上一切できません。

③ なぜ「介護の苦労(寄与分)」は認められにくいのか?

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Bさんが主張したい「寄与分」とは、被相続人の財産維持に貢献した人が、通常の相続分に加えて受け取れる遺産のことです 。 しかし、法律上「寄与分」が認められるハードルは非常に高いのが現実です。

親子の扶養義務の壁

同居している親子の場合、親の面倒を見ることは「当然の行為」とみなされやすく、食事の世話や通院の付き添い程度では「特別な寄与」とは認められにくい傾向にあります。

立証の難しさ

片手間の介護ではなく、その行為に専念し、かつ被相続人にとって不可欠なものであったことを客観的に証明する必要があります。

④「すべてをオープンにする」ことが最大の解決策

遺産を隠したり一部しか開示しなかったりすると、後に発覚した際、相手方の不信感を招き、余計に相続人同士の話し合い(遺産分割協議)が難航します。

不本意かもしれませんが、最初からすべてを誠実に開示することが、結果として手続きを最もスムーズに進める近道となります。

⑤ トラブルを未然に防ぐ「生前対策」の重要性

今回のケースのような「異母兄弟間の相続」が予想される場合、Aさんがお元気なうちに遺言書を作成しておくことが、Bさんを守る唯一の手段でした。

遺言があれば、Cさんの「遺留分」に配慮しつつ、Bさんにより多くの財産を残す指定が可能だったからです。

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